
機械学習とナノ3Dプリンターで「鋼の強度と発泡スチロールの軽さを兼ね備えた新素材」の開発に成功
カナダ・トロント大学を中心とした研究チームが、機械学習により軽量でありながら高い強度を誇るナノ構造素材を設計したことを発表しました。この新しい構造の素材を飛行機や宇宙船の機体に使用すると、強度を維持しながら燃費を大きく改善させることができる...続きを読む
2025年1月30日、カナダ・トロント大学の研究チームが、機械学習とナノ3Dプリンターを用いて、鋼の強度と発泡スチロールの軽さを兼ね備えた新しいナノ構造素材の開発に成功したことを発表しました。この新素材は、航空機や宇宙船の機体に使用することで、強度を維持しつつ燃費を大幅に改善できると期待されています。
研究の背景と方法
- ナノ構造素材の特性: 三角形の形状を利用し、ナノスケールで高性能な構造を組み合わせることで、強度対重量比と剛性対重量比を最大化。
- 機械学習の活用: 韓国科学技術院(KAIST)の教授と学生と協力し、多目的ベイズ最適化(MBO)アルゴリズムを用いて、最適なナノスケールの形状を予測。
- プロトタイプの製作: トロント大学のナノスケール3Dプリンターで軽量カーボンナノ格子素材のプロトタイプを作成。
新素材の特性
- 強度: チタンの約5倍の強度を持ちながら、非常に軽量である。
- 燃料節約: 新素材を航空機の部品に使用することで、1kgの素材を置き換えるごとに年間80リットルの燃料を節約できる見込み。
今後の展望
トロント大学の研究チームは、材料設計のスケールアップとコスト効率の高いマクロスケールのコンポーネントの実現に向けて、さらなる研究を進める予定です。高い強度と剛性を維持しつつ、より低密度の新しい設計を模索し続けるとしています。
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