2024年を振り返りつつ(PC関係)

PC関係ではハードウェアに関しては大幅な進化はなかった印象だが、CPU,GPUに加え新たにNPUというAI機能向けのプロセッサが加わったり、GPUに関しても浮動小数点演算の速さのためか、多くがAI関係に利用された印象。近々NVIDIAが市販のグラフィックボードの新モデルRTX 5090シリーズを出すではないかという噂もあり、グラフィックス(主にゲーミングPC向け)やAI関連といったソフトの進化に合わせたハードの進化といった印象が強い。

Appleも新型のMacシリーズを出したが、あくまで処理の高速化といった感じの順当ともいえるハードの進化だったと感じる。全体的な感想は処理能力向上と消費電力を低減させることがメインストリームだったようだ。

そして何より2024年はAIが大幅に進化し、普及し始めた1年だったという印象が強い。Open AIのChatGPTやGoogleのGeminiやXのGrok(X AI)、Micro SoftのCopilotとすぐに誰でもAIアシスタントや検索などが利用できるようになり、これまでのテキストベースだけでなく、画像、映像、音声(音楽)と幅広いジャンルで大幅な進化が見られた。

また、これらの多くはWebで利用できるため、個人で高性能のPCを用意する必要がなく、ネットに接続できれば利用できる点もユーザにとっては手軽である。CopilotはWindowsに標準搭載されて機能の一部としても認識できそうだし、Copilot+はより高度なことが可能なので(ただしある程度のNPUの性能が必要だが)、使い方によっては作業の効率化が進みそうである。

その中で数多くの興味深い発表がOpen AIとGoogleによって年末に多数行われ、注目を集めたが、個人的に一番興味深かったのが、日本時間の2024年12月22日に行われた、ボクシングヘビー級、「ウシク vsフューリー 2」のジャッジに第4のジャッジとしてAIによる判定が加わったことだ。

あくまで、実験的なもので、実際の判定には影響しないとのことらしかったが、AIが実際に動いている状態の選手をリアルタイムにどう判定するか、リアルタイムでの映像認識システムの実験として面白いと感じた。

実際の試合は、人間のジャッジの採点は3者とも116-112でウシクが防衛という結果に終わったが、気になっていたAIによるジャッジは、記事によると118-112とスコアを付けたようで、フューリーに10を与えたRは1,2,5,12なので、実際2ラウンドを10-10となったみたいである。

ジャッジ3人が全員フューリに10を付けたのがR4,5なので、AIがR4をどう見たのか気になるところ。人間の目には優勢と思ったところを、パンチのヒット率や数で判定しているのか、それともどれだけ前にプレッシャーをかけているのかとか気になるところ。

各ジャッジ3人の配点でフューリーがとったラウンドを書くと

ジャッジ1 :1,4,5,12
ジャッジ2 :1,3,4,5
ジャッジ3 :2,4,5,9
AIジャッジ:1,2,5,12 (内2ラウンドは10-10)

となっており、R4,5はジャッジ3人はフューリーにつけているが、あとは少しばらけている部分もあり、それぞれ人間側もAI側も個性が出るスコアとなっている。

AIによる採点基準や選手を認識するためのカメラの位置や台数ははからないが、かなり人間の判定に近く感じるので、これからこういった実験を続けたり、過去の試合の映像を学ばせることにより、さらに確度の高いものになると面白そうだが、開催するほうは大変そうでもある。

こういった実験的なことが行われるその一方で、AIによる大規模言語モデル(LLM)や機械学習による著作権の問題も顕著になってきた印象もあり、早急な法整備やガイドラインの策定も必要と感じる年でもあった印象。しかし、インターネット、SNSやクラウドサービスといったものがいつの間にか一般的になったようにAIもいつの間に一般的になり、誰もが意識せずに使えるようになるのはかなり早いと感じているので、今後どうなるか期待も大きい。

ただ、AIが進化している現在既存の仕事がAIによって奪われるというか、人間の手をあまり必要としなくなっていくのではないかという点も、便利さの一方で起こりうることだと思うので、バランスが難しそうでもある。また、AIをWebベースで利用できる点は気軽であるが、それを処理するためのだ規模データセンターが必要になったり、大幅な電力消費を必要とする点も課題に挙げられるかもしれない。

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